Interview  02

共修社は、多様な視点の宝庫
寮生との会話から得られる気づきがある

Profile プロフィール

甲府市出身

元NHK放送文化研究所研究主幹
フリージャーナリスト

島田敏男 さん

1959年、甲府市生まれ。県立甲府第一高校卒業後、中央大学法学部に入学した1977年に山梨共修社入寮。1981年、日本放送協会(NHK)に入局し、記者を経て解説委員に。「日曜討論」の司会などを担当し、解説副委員長、名古屋拠点放送局長などを歴任。退職後はジャーナリストとして活動する傍ら、順天堂大学国際教養学部の非常勤講師も務める。

自分の進路から時代の趨勢まで、
多様な議論を交わした寮生活

最初は、山梨県職員だった父から共修社のことを聞かされました。寮費が割安なのはもちろん、学生が自主的に運営していることに魅力を感じたのが入寮の動機です。

高校時代は新聞部長を務めていて、議論好きだったこともあり、入寮後は談論風発の日常生活。それぞれの進路選択や、どんな人を伴侶に選ぶかという話から、時代の変化を大学生としてどう受け止め、向き合っていくかなど、先輩・後輩を問わずさまざまな議論をしたのは楽しかったですね。

一番の思い出は、屋根のペンキ塗り。当時の共修社は、緑色のトタン屋根が特徴的な木造建築でした。その屋根を3年に1回、寮生が自分たちで塗りなおすんです。丸一日かけて塗装するんですが、先輩たちがとてもまじめに取り組んでいて、日頃愛想のない先輩も、作業中に「気をつけろよ」と声をかけてくれる場面もありました。改めて上級生へのリスペクトを持てましたし、集団で暮らすためにやるべきことをきちんとできる、寮生の善良さを感じました。

人の話はとにかく聞く「日曜討論」で
役立った寮での経験

共修社で毎晩のように寮生と議論する中で、「人の話はとにかくじっくり聞く」ということを学びました。同世代の寮生たちの話を聞き、物事の受け止め方や考え方の違いを知り、それでもお互いのことを尊重しなければなりません。

それが役立ったのが「日曜討論」でした。与野党の政治家の侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の中で、対立点をどう乗り越えるか、接点をどう作っていくかを探っていくのが司会の役割。思えば学生の時、共修社で日々そのトレーニングをしていたんです。

そして共修社の仲間は、日常を一緒に過ごして、弱みを含めてお互いをわかりあえる存在。卒業から何十年経っても、お互いに起きたことを自分事のように喜んだり、悲しんだりしあえる関係です。彼らと話すことは、ジャーナリストとして「ふつうの同世代の人は何を考えているのか」を測るバロメータになりますし、私自身が「人間として変質していないか、本来の志を持ち続けているか」をチェックするものさしにもなっています。

共同生活の中で、「違いを推し量れる力」を磨いていこう

共修社は、多様な視点の宝庫です。いまの寮生たちには、自分と感性や考え方が違う人ともコミュニケーションをとって議論して、「違いを推し量れる力」を磨いてほしいですね。また、共同生活で揉まれる中で、それまで知らなかった己の姿が見えるようにもなります。世の中への耐性を自らに育み、やがて壁を超えて、自分がやりたいことに打って出る。共修社で、その力をつけてください。